こんにちは。
新宮町の歯医者さん、さくら歯科副院長の坂元です。
昨夜は蒸し暑いくらいで、すっかり春ですね。

さて、今日はタバコと歯周病の関係についてお話します。

タバコを吸うと、全身の血流が悪くなります。
血は、全身に酸素を運んで栄養を運んでいますので、全身が栄養不足になってしまいます。

こちらは、喫煙者の肺と禁煙者の肺を比較したもの。

たっぷりタールがこびりついています。
ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。
タバコを吸っていると歯茎が硬くなり、歯肉の腫れや出血が見た目上少ないので、患者さん自身が歯周病に気づきにくくもなります。

ですが禁煙すると、歯周病のかかりやすさは4割も減ります。
ちなみに他の病気でも、肺癌にかかる危険は喫煙者では非喫煙者の4.5倍ですが、禁煙すると4年で2.0、5年で1.6、10年で1.4倍と着実に落ち着いてきます。

禁煙のメリット

20分    手の体温が正常にまで上昇する
8時間    血液中の酸素が正常値に戻る
24時間    心臓発作のリスクが減り始める
48~72時間    ニコチンが体から完全に抜ける
72時間    気管支の収縮がとれ、呼吸が楽になる
数日~数週間    歯肉の血流が正常値に戻る
2週間~3週間    肺機能が30%アップする。歩行が楽になる
1年    血栓症や心臓発作のリスクが半減する
5年    肺がんリスクが半減する
10年    口腔がん、咽頭がんのリスクが減少する

喫煙者は、歯周病にかかりやすく治りにくいのはもちろんのこと、インプラント治療を行った場合も、血流の悪さから骨とインプラントがしっかり結合してくれないことがしばしばあります。
そのため多くの歯科医院では、喫煙者のインプラント治療の保障期間は非喫煙者の半分くらいに設定しています。

さらに怖いのは受動喫煙で、下記の写真は、同居している親が喫煙者(1日15本)の子供です。

 親が喫煙者の場合、受動喫煙により子供の歯肉のメラニン色素沈着(歯肉の黒色化)の比率が高くなることが報告されおり、喫煙者と同じように歯茎が真っ黒になっています。
受動喫煙により子供の喘息や知能低下にも大きな影響を与えることが知られています。

 また、妊婦の受動喫煙は早産や乳幼児突然死の原因ともなります。

タバコは全身の臓器の機能を悪くしますが、お口の中は一番最初にタタバコの健康被害を受ける場所です。
禁煙する気持ちは全くない→いつか禁煙してみようかな→禁煙したことがある→禁煙してみよう→禁煙、という段階がある中で、1ステップでも禁煙方向に近づくところから、まずは始めてみてはいかがでしょうか?