こんにちは。
新宮町の歯医者さん、さくら歯科副院長の坂元です
歯科治療を行う際、ほとんどの場合仰向けで行いますが、妊婦さんは、妊娠後期になると、仰向けに寝ると体調がすぐれなくなることがあります。
これを「仰臥位低血圧症候群」といいます。
もしも気分が悪くなったら、左を下にして寝るようにしていただきます。
どうして左が下なのでしょうか?
まず、「仰臥位低血圧症候群」になる理由について、考えてみます。
母体の下腹部付近にある、腹腔動脈と下大静脈の上に胎児が乗っかり、血管を圧迫します。
そのことで、もともと勢いの弱い静脈は、血流が低下してしまい、母体の心臓に血液が戻りにくくなってしまいます。そうすると、心臓から血液を出せなくなってしまうので、全身に送る血液が少なくなり、血圧が低下し、体が酸素不足に陥ります。その結果、悪心・嘔吐、生あくびなどの「仰臥位低血圧症候群」になるのです。
仰向けに寝て、「仰臥位低血圧症候群」になった妊婦を左側臥位(左を下にして横になる体勢)にすると、どうなるかというと・・・・、
動脈は左、静脈は右にあるため、左側臥位にすると、胎児の体重が左にある動脈の方に乗っかります。その結果、静脈にかかる力の比重が小さくなり、血流が再開します。動脈は血流が強いので、どうにか流れるため、血流は止まりません。
以上のような理由で、妊娠後期は仰向けで体調が悪くなった際に左を下にして寝ると楽になるのです。
もし身近で妊娠後期の妊婦さんが仰向け寝で気分が悪くなったら、左側臥位にしてあげてくださいね