近年、喫煙者の肩身も狭くなり、喫煙もいたるところで制限されています。喫煙場所が減ったことやタバコの値上げなどで喫煙率は減少していると言われています。

    ~~2012年「全国たばこ喫煙者率調査」(日本たばこ産業株式会社)~~

    喫煙者率が減少傾向にあるものと考えております。この要因は複合的であり一概には言えませんが、高齢化の進展、喫煙と健康に関する意識の高まり、喫煙をめぐる規制の強化や、増税・定価改定等によるものと考えております。

日本においても禁煙キャンペーンなどが盛んに行なわれており、タバコの害については皆さんも承知のことと思います。タバコは、百害あって一利なしと言われていますが、タバコの害と生活習慣病とは密接な関わりがあります。なかでも、歯周病の方の喫煙は、最も危険な因子のひとつと言われています。

最近のデータによると、一般にタバコを吸う人は、吸わない人に比べ、3倍も歯周病にかかりやすく、また2倍も多く歯を失っているという報告があります。また喫煙本数に比例して歯周病が重症化することも分かっています。さらに、喫煙による不快な口臭、味覚の鈍麻、歯肉の黒色化や歯面の着色など口腔内環境を悪化させます。

喫煙者の歯周病の特徴として「炎症症状が少ない」ということがあげられます。歯周病はあまり症状が現れないままジワジワと進行することが多いのです。その中でも「歯茎の腫れ」「ブラッシング時の出血」は比較的自分で気づきやすい症状です。

しかし、喫煙者の歯周病ではこれらの症状が現れにくいのです。でも、これは決して歯周病が軽症だということではありません。

歯周病になると、歯茎が腫れたり、膿んだりしますが、タバコに含まれている化学物質が喫煙者の歯肉出血を減少させたり、歯肉表面を硬くすることで歯周病の症状が隠されてしまうのです。  つまり喫煙者は自覚症状がほとんどないまま歯周病はどんどん進行し、炎症症状が現れにくいために、自分で歯周病の進行に気づきにくいので歯周組織の破壊が進んでしまいます。そして重度の歯周病に進行するというわけです。

歯科医院では歯周病の進行に応じて様々な治療が行われていますが、どのような歯周治療に対しても喫煙者では治りが悪いことが報告されています。歯周病は全身の病気と密接な関わりを持っています。

歯周病になっていなくても、たばこを吸っていると歯周病へのリスクが高くなり、逆に禁煙すると歯周病へのリスクが下がりますので、歯周病を予防するためにも禁煙することをオススメします。
お口の健康も害するタバコ、この際真剣に喫煙習慣を見直して見ませんか?