全ての妊娠をした女性は健康な我が子の出産を望んでいるのではないでしょうか?

低体重児出産についてインターネット辞典Wikipediaで検索してみると、1980年に5.2%だった2,500g未満出生児の割合は、1990年に6.3%、2000年に8.6%、2009年に9.6%と増加をたどっています。

また、新生児全体の体重としても、厚生労働省が10年ごとに行う「乳幼児身体発育調査」において、戦後の経済成長とともに増加を続けていた平均出生体重が1980年をピークに減少に転じ、2000年には戦前の1940年~1942年を下回る水準に達しています。

他の先進国で女性の体格向上に伴い出生体重も漸増を続けているのに対し、日本での傾向は特異的です。なぜ、今低体重児出産が増えているのでしょうか?

近年、問題視されている低体重児出産の原因に、喫煙・飲酒・歯周病などがあります。
なかでも重度の歯周病にかかった妊婦が低体重児出産をする確率は、健康な歯肉の母親に比べて約7倍になります。これは、喫煙、飲酒している割合よりもかなり高い確率です。

そのなかでも歯周病と低体重児出産の関連性について調べてみました。
歯周病が低体重児出産を招く原因として、歯周病菌が炎症を起こした歯肉の血管から血中に入り込み、それが羊水内に入り胎児の成長に影響を及ぼすと言われています。

また、歯周病が早産を誘発するメカニズムは次のように考えられています。お口の中に歯周病菌が増えると、免疫のバランスが崩れます。すると免疫を担当する細胞から「サイトカイン」という情報伝達物質が出されます。このサイトカインが過剰にでると炎症が起き、歯肉や歯槽骨を破壊する酵素が出やすくなり歯周病が進みます。妊婦の胎内では血中サイトカイン濃度は出産のゴーサインとみなされ、濃度が高まると妊婦の子宮収縮が始まり、十分に成長していない状態で赤ちゃんを産む早産・低胎児出産に繋がるのです。

一方で、妊娠中はつわりによって、歯磨きが不十分だったり食事が不規則になったりしますね。その上、胎盤で作られるホルモンが歯周病菌を増殖しやすくするため、歯周病が悪化しやすいと言われています。

低体重児出産には様々なリスクがあります。低体重児の特長として、呼吸がうまく出来なかったり、脳に障害があったり、感染に対する抵抗力が弱い、栄養を摂ることが難しい等様々です。このリスクが新生児死亡の原因となったり、新生児の成長を妨げたりするのです。

妊娠する前から定期検診を受けて、歯周病や虫歯を治療しておくことがとても重要になってきます。
生まれてくるお子さんのためにも、歯科検診を受けましょう!