こんにちは。

新宮町の歯医者さん、さくら歯科副院長の坂元陽子です。

今日は喫煙と歯周病についてお話しします。

喫煙は、糖尿病と並んで、歯周病を悪化させる2大要因です。

メラニンにより歯ぐきが黒くなったり、また歯ぐきが硬くなって出血しにくくなってしまい歯周病の発見が遅れることもあります。
メラニン沈着は受動喫煙によっても起こることが知られており、親の喫煙が子供の歯肉メラニン色素沈着をおよそ5倍以上のリスクで増強するという報告もあります。

また、歯周病が悪化したために歯ぐきの手術を行っても予後が悪いし、インプラントを埋入しても血流が悪いために予後が悪いことはしばしばです。

喫煙により全身の細胞が酸素不足、栄養不足になってしまうので、老化も早くなります。

喫煙は癌・循環器疾患(心臓病・脳卒中)・呼吸器疾患(肺気腫・喘息)などの多くの病気の原因であることはよく知られています。

一方、禁煙により歯周病を予防し、たとえ進行した歯周炎であっても歯周治療による治癒がよくなり、歯の喪失が抑えられます。

喫煙の歯周組織への影響は比較的若い年代からあらわれ、しかも発見しやすい部位にあるという点(歯肉メラニン色素沈着・歯の着色・口臭など)が特徴です。しかも他の臓器に及ぼす影響とは異なり、直接その影響をみることができます。

喫煙は依存によるものが大きいので、本人が本気で辞めたいと思わない限り難しいですが、医療機関による禁煙支援なども利用すると成功率は高くなるでしょう。