8020運動を知っていますか?
日本で行われている歯科に関する運動です。
1989年(平成元年)より厚生省(当時)と日本歯科医師会が推進している「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。
20本以上の歯があれば食事は満足にできると言われています。生涯にわたって自分の歯で美味しく食事をするためにこの運動は始まりました。
ある研究データでは、70歳代の健康な高齢者の歯の平均本数が9本だったのに対して、認知症の人は平均6本、アルツハイマー型認知症の人では平均3本でした。噛むという行為が脳を活性化させ、痴呆症を防ぐと考えられています。
認知症の症状が進むにつれてお口の中の機能は低下する減少が見られます。
咀嚼時の脳を見てみると日頃よく噛んで食事をしている人程、大脳の運動部が発達していることが認められます。つまり、認知症と咀嚼が関係していることを表しています。
生涯にわたってしっかりと噛んで食事をできる人の方が元気で健康でいられるということです。
歯の数で食べられるものはどう変わってくるのでしょうか?
人間には、親知らずを抜かすと28本の歯が生えています。
◎18本~28本
たくあん、固いおせんべい、フランスパン、いか、たこ
噛みごたえのあるものや、固いものを食べることが出来ます。
◎6~17本
れんこん、お肉、かまぼこ、きんぴらごぼう、おせんべい
多少の歯ごたえのあるものでも食べることが出来ます。
◎0~5本
ばなな、うどん、軟ごはん、食パン
軟かく、食べやすいものが中心になり、歯ごたえがあるものは食べにくくなります。
歯の本数の違いで食べることができる食材が大きく変化しています。
年を重ねるごとに食の楽しみは大きくなっていくものです。その為にもしっかりとケアをして歯を守ってあげることが大切になります。虫歯や歯周病が歯を失う原因になります。歯周病の原因となるのは歯周病菌です。歯垢が溜まってしまうことにより歯周病菌のすみかを作る原因になります。そのようなことを防ぐためには、まず歯垢を溜めやすい生活習慣を改善していくことが重要になります。
ダラダラと間食をしてしまったり、食べ物をよく噛まずに食べていたりしませんか?
日頃、たばこを吸う習慣があったり、ドカ食いをしたり、ストレスをためていませんか?
やわらかいものばかり好んで食べていたり、歯を磨かずに寝てしまったりしていませんか?
免疫力が落ちていたりストレスがたまったりと、様々な要因が重なると、歯周病菌が活発に活動してしまいます。これらの生活習慣が当てはまる人は改善するようにしましょう。
歯を失わない為にはセルフケアが大切になりますが、歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナルケアもかかせません。あなたにあった歯磨きの方法やケアを教えてもらいましょう。小さな積み重ねが8020運動を達成することに繋がります。